味噌のプロに聞く塩へのこだわり
醤油と並ぶ日本の台所に欠かせない調味料「味噌」。
今回は、明治18年から続く味噌の老舗、「かねじょうみそ」として知られる日本味噌株式会社さんにお話しを伺いました。
田中清孝 さん
日本味噌株式会社 代表取締役社長

取材にご協力いただいたのは、日本味噌株式会社 田中清孝 社長です。
- <塩なび>
- こんにちは。日本味噌さんは明治から続く老舗ということですが。
- <田 中>
- 味噌屋としては特別長い歴史ではありませんが、気がつけば神奈川県では3軒中の1軒になってました。関東でも味噌屋は数えるほどになってしまいましたし、江戸時代に徳川家康により作られた江戸甘味噌に至っては、唯一のメーカーとなりました。
私たちの味噌は一般的なスーパーには卸してないので、知っている方は少ないかもしれませんが、老舗の料亭や焼き肉店など業務用を中心に取り扱っていて、業者さんの使う用途に合わせて独自のレシピで製造しています。 - <塩なび>
- もしかしたら、今まで気づかずに日本味噌さんのお味噌やタレを食べていたかもしれませんね。
- <田 中>
- 特に、江戸甘味噌は、例えば馬肉料理のお店や、牛鍋屋さんといった東京(というより江戸?)の老舗のお店から支持されて長い間お取引させていただいています。

◆江戸甘味噌の秘密

- <田 中>
趣のある味わい深い建物だけど、こう見えて工場の設備はISO14000やHACCAPにも対応するレベル(非常にレベルの高い設備です)。
簡単にいうと、工場の内部の菌などをいかに排除して、衛生的な工場にしているか…ということなんですが、「味噌づくり」という仕事は「菌」と一緒にする仕事だから、単純にそれらに対応できたと言っただけでは、お味噌は作れなくなるんですよ。
味噌作りに必要な麹菌だけを残して、他の菌はなるべく排除していくことが大事なんです。原材料の搬入もパスルームを導入して、搬入から出荷まで効率のいい設備にしています。
- <塩なび>
- 工場を見せてもらったときも、頭から靴まで完全防備しましたよね。 あと手もきちんと消毒!
- <田 中>
- 味噌は仕込んだものをそのまま出荷するから、異物が入らない事が基本です。 原料を仕込む前から、金属探知機やさまざまな工夫で異物を取り除いて仕込んでいます。 ここで取れなかったものは製品に入ってしまうので、細心の注意で取り扱ってます。 そういった意味で、塩は国産にこだわってますね。 イオン交換膜で製塩したお塩なら、異物の混入がなくて安心して使えますし。
- <塩なび>
- 塩へのこだわりが「まず異物が無いこと」だなんて、意外です。
- <田 中>
- プロとして、たくさんのお客さんの口に入るものなので、まず「安全」なものにこだわります。もちろん、お客さんからの依頼で、○○の塩とか銘柄のついたお塩も使う事もありますよ。
- <塩なび>
- 工場では、特に麹菌の管理は厳重でしたが、まるで金庫のようでしたね。
- <田 中>
- 麹菌の管理には、それはもう最大の注意を払っています。
例えば大豆を仕込む時、いわゆる納豆と同じ様にふかしますが、その際にもし、空気中に漂っている納豆菌が入ろうものなら、味噌の醗酵に重要な麹菌が納豆菌に負けて、味噌にならずに納豆になってしまうんです。
だから、工場内では「納豆厳禁!」。食堂でも納豆はないし、お弁当でもみんなには控えてもらっているんです。
◆意外な事実!味噌屋は納豆厳禁!?

★豆知識
昔、味噌屋さんと納豆屋さんは同じだったところが多いそうです。
その理由がまさにこの納豆菌で、味噌屋さんにとっては「失敗作」になってしまった納豆を売っていた…というお話。そういう流れもあって、戦前は納豆というのは「お味噌汁の具」に使われる事が多く、現在のようにご飯にかける様になったのは戦後の事だそうです。
◆地域とのコミュニケーション
★即売会販売情報
毎月最終土曜日に本社で即売会をしています。
味噌だけでなく、焼き肉用などのたれも販売しています。
★「手作り味噌教室」情報
10〜11月、2〜3月まで毎月開催しています。
年間700人くらいが参加。もう6〜7年くらい続けています。
詳細はお問い合せ下さい。
日本味噌株式会社〒221-0862
神奈川県横浜市神奈川区三枚町364
電 話 045-381-7651
FAX 045-382-8225







