海水の塩づくり
東南アジアや北アフリカなどでの塩づくりは、海岸にプールをつくり海水を入れて強烈な太陽の熱と乾燥した空気を活用してつくります。紅海や地中海沿岸では、干潟や岩瀬の窪みなどで海水が蒸発し、自然に「潟塩(せきえん)」とよばれる天日塩ができます。
日本でも潟塩に近い天日塩は、鹿児島県大島郡三方村小宿でつくった例が「塩俗問答集」に書かれています。干潮で岸瀬の窪みの海水が太陽光によって天日塩になっているのを見つけ、そこへ塩水を入れて濃厚なものとし、容器にとり釜で煮て自家用の塩をつくったとあります。今でも徳之島では、岸瀬の窪みの濃厚になった塩水を運び釜で煮つめた天日塩をつくっています。
日本の塩づくりは「藻塩焼き」の頃から手間がかかり、砂浜を利用して塩分を濃くして釜で煮つめる揚浜式も雨が多く太陽の熱もそれほど強烈ではなく、大変な仕事だったのです。
そんな塩づくりに愛しさを感じます。